2016年12月09日
【連載】附属施術所(はりきゅう)研修生の日々
〜第8回目:身体診察の難しさ〜
患者さんの症状の鑑別において、重要な医療技術の一つは身体診察と言えます。我々鍼灸師はレントゲン検査や血液検査などの侵襲的な検査を用いることは出来ません。しかしながら、病歴聴取と身体診察を駆使することで多くの情報を得ることができ、鍼灸臨床の適応不適応の判断や病態の推察を行っています。
今回は、研修2年目の深井さんより身体診察(特に、臨床上遭遇する機会の多い運動器症状に対する徒手検査法を中心)における難しさや自身の成長について話していただきます。
【2年目研修生・深井さん:身体診察の難しさ】
「施術所での研修を始めた時は、やり方を理解しきれていない徒手検査があったり、患者さんの動きがしっかりイメージ出来ていなかったせいで、たどたどしかったり繰り返し患者さんに動いてもらうなど、必要以上に時間が掛かっていました。また、声掛けしても患者さんに分かりにくいことがあり、自分でも段取りが上手くいかないなーと感じていました。
ただ、1年半の研修の間、実際の患者さんを通じて学ばせていただき、また、施術所の先生方からその都度フィードバックを受け、今では体に定着した徒手検査は増え、検査の意味も理解が進んでいます。そのことから施術がスムーズに進み、カンファレンスでも以前より理解し合えるようになってきました。そして何より、患者さんの症状への理解が深まっていると感じています。
それでもまだスムーズに出来ていない時、やり方や理解が苦手な検査があり、それらを臨床でしっかりものに出来ることが今の課題です。研修も残り4ヶ月、その先の患者さんを意識し、更に経験し研鑽していきたいです。」
これからも研修生と共に、患者さんへ貢献して参ります。
報告:附属施術所(はりきゅう)藤田 洋輔