2014年07月15日
私は四谷校を卒業した年に結婚した。どういう話のなりゆきであったか、定期的に義父を治療することになった。
私の実家は灸治療院をしていた。義父にもお灸をすえることになった。
初めて治療のために帰省し、灸治療が終わった時、義父は「典子さん、お灸をすえてくれてありがとね。」と言った。治療代の代わりにと義父は私に小袋を手渡した。小袋には義父の字で「出張治療お祝い」と書かれ、お金が入っていた。
義父の治療で帰省して、困ったことがある。治療が済むと、義父は行きつけのお店に私を食事に連れて行ってくれた。お店に入るなり、「この子は俺の隠し子なんだよ。」と私を紹介する。私は「いいえ、違います。」とも言えず、かといって上手な対応もできず、ボソボソと「よろしくお願いいたします。」と言い、ペコペコ頭を下げるだけで精一杯だった。
何度も治療しないうちに、父への治療は終わってしまった。義父は散歩中に転んで足を骨折し、入院中の病院で脳出血を起こして、とうとう帰らぬ人となってしまった。
お灸の治療は男性よりも女性に向いていると言われる。義父は辛抱強く私の灸治療を受けてくれたが、もしかしたら、熱いのであまりお灸は好きではなかったのかもしれない。義父が私にお灸をすえさせてくれたのは、私にお嫁さんとしての立場と違う立場を用意してくれたかったからなのかもしれない。一家の大黒柱(義父)を治療する“お灸の先生”としての立場を。
義父が亡くなって、20年以上が過ぎた。お義父さん、温かい気持ちを私にかけてくださって、ありがとうございました。
鍼灸科・鍼灸マッサージ科 専任教員 相田典子
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