2014年04月21日
肋骨骨折は呼吸するたびに痛みが起こる、患者さんにとってはつらいケガです。包帯などで少しきつめに固定をして、軽く呼吸を制限すると痛みが和らぎます。私は、このことを柔道整復師の学校の授業で教わっていて、記憶に残っていました。柔道整復師になり1年程たったある日、勤務先であった整形外科病院に肋骨骨折の患者さんが来院しました。病歴の聴取からレントゲン検査、院長の診察と進んで治療をする段になりました。患者さんへの説明と治療は私が担当することになり、説明した後、当時の治療法で一般的に行われていた絆創膏による固定と、厚紙と包帯を用いて固定する方法を行いました。私にとって肋骨骨折の固定は初めてで、持っている限りの知識を総動員して治療に当たりました。包帯を巻く段になり、前述の知識が頭をよぎり、私としては、普段巻いている包帯よりややきつめかなと思う程度の意識で包帯を巻き終えました。
包帯が巻き終わったところで、私は患者さんに「包帯はきつくありませんか」と聞き、患者さんは「少しきついようですが・・・」と答えました。私は、すかさず「肋骨骨折は包帯が少しきつい方が痛みが楽ですから」というと、患者さんは「そういえば痛みが楽です」と納得顔で答えたので、私が「それでは、また明日見せて下さい」と言うと、患者さんはお礼を言いながら治療用の椅子から立ち上がり、受付の前に行きました。患者さんは会計事務が済むのを受付の前で立って待っていたのですが、待っている間にその場で崩れるように倒れてしまいました。異変を発見した事務員が私の所に走って来て「先生倒れた!」告げました、私は一瞬で事態を察知し、その場にあったハサミをつかみ、現場に駆けつけて包帯を切り裂き事なきを得、ホッとしました。
患者さんの治療は知識だけでは不十分で、十分な経験が必要です。「少しきつめ」の「少し」は人によって大いに異なり一定ではありません。また、数字で表すこともできません。これは、治療に携わる人が長い経験で掴む感のようなもので、私は、この経験から、その後の肋骨骨折の治療では特に注意することにしています。
(文:呉竹医療専門学校 校長 細野 昇)
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