2014年03月18日
平成26年3月12日13時より、呉竹医療専門学校5階多目的ホールにおいて、第3回卒業式を挙行いたしました。卒業式の様子は次のとおりです。
写真のあとには、細野昇校長の卒業式式辞を全文掲載いたしましたので、卒業生の皆さん是非ご覧ください。
『卒業式式辞』
本日、ここに集われた165名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。卒業式にあたり皆さんの今日までのご努力と研鑽とを、学校を代表して心からたたえます。また、この日まで、皆さんの勉学を支えてこられたご父兄、ご家族の皆さんにも、深く敬意を表したいと思います。本当におめでとうございます。皆さんの大多数が未曾有の国難といえる東日本大震災が発生した年に本校に入学されました。皆さんの入学式が挙行できるか、また、晴れがましい式典を挙行して良いものかを考えも致しました。実際に交通事情も十分でない状態での入学式であったことを記憶しています。計画停電が実施されている中の不自由な状態での勉強のスタートでしたが、協力して頂き大きな障害もなく学校を運営できたことには心から感謝しています。災害は不幸なことであり、あってはならないことですが、このことを切っ掛けにして人と人との「絆」について、また、「思いやり」について改めて考えさせられる出来事でもありました。
さて、私はこの数ヶ月間、本校の3期生として卒業されて行く皆さんに、卒業に当たり贐としてどのような言葉を贈ろうかと考えてきました。含蓄のある格言を贈ることも良いでしょう。また、偉人の言葉、功成り名を遂げた人の言葉を贈ることも良いでしょう。しかし、私は、昨年と同様に「誰のために」というシンプルな言葉を贈りたいと思います。「誰のために働くのか」、「誰のために自身を磨くのか」、「誰のために学ぶのか」、「誰のために技術を高めるのか」さらには「誰のために生きるのか」を常に考えて頂きたいからであります。本校での3年間の勉強を終え、皆さんの殆どは医療の道に進まれるものと思いますが、皆さんの生涯が「誰のために」有るのかということを常に考えて頂きたいということです。人が「誰かのために尽くす」ことは、相手に大きな恩恵を与えるばかりでなく、自分にとっての生き甲斐にもなります。
本校の教職員は皆さんに医学教育をして参りました。皆さんにとっての教職員は、「医学知識を授けてもらう」、「あん摩マッサージ指圧、鍼灸、柔道整復の技術を授けてもらう」、「国家試験の合格に導いてもらう」、「医療人としての人格形成の助けとなる」などの存在であったと思います。しかし、本当に本校教職員は、皆さんへのそれらの教育を通して皆さんに「無事卒業させること」、「国家試験合確率を上げること」、「本校の名声を上げること」、「業界を代表するような施術者が現れ本校の知名度が高くなること」もっと卑近なことを言えば「教職員自身の生活の糧を得ること」などを目的に教育をしてきたのでしょうか。私は、これらを目的とすることを否定するつもりはありません。ただ、ここで皆さんに「誰のために」と言う言葉について、もう一歩深く考えて頂きたいのです。
20年以上にわたり柔道整復師の教育に携わってきた私自身のことを言わせて頂けるなら、私にとって皆さんの知識や技術、身分、将来の生活のことは2番目に重要なことに過ぎないのです。私にとって最も重要なのは、患者さん、すなわち国民全てが安心、安全な医療を受けられることなのです。皆さんの殆どは、今後、患者さんの治療をすることが職業となります。皆さんが患者さんの治療をするとき、知識や技術が不足していたり、人より良い生活をしようなどといった邪な心を持っていたりすれば、人の命に直接関わる治療が適切に行われるでしょうか。誤った治療や恣意的に利潤の高い治療法が選択され施されることになると思われ、本当に患者さんのニーズに合った適切な治療が施されず、時に患者さんを危険に陥れることになります。人に行われる治療は崇高な理念に基づいた質の高い、十分に吟味されたものでなければなりません。そうでなければ皆さんに向けられた患者さんの信頼を裏切る結果になるからです。そしてそれは患者さんである国民にとって迷惑以外の何者でもないのです。皆さんは、今ここで改めて、このことを心に刻んで下さい。
本校で行われる医学教育の真の使命は、安全な医療を安心して受けることで、国民に健康を回復してもらうことであり、単に医療人を育成し輩出することで終わるものではありません。そして重要なことは患者さんに、安心、安全な医療を直接提供すのは私たち教職員ではなく、本日卒業して医療人となられる皆さん以外にはないということです。私たちは皆さん方を訪れる患者さんに直接手を触れて治療することはできないからです。私たち教職員は本校の使命を実現するため、今日まで全力を注いで皆さんの教育に当たってきました。それは、皆さん一人一人が社会に必要とされる医療人となり、患者さんに適切な治療をすること以外には、社会に対する私たち教職員の責務を遂行する手段がないと考えているからです。
ここでもう一度「誰のために」という言葉を考えて下さい。言葉には表面的な意味と直接表面には現れない深い意味とがあります。奧に秘められた意味を見いだすには深い洞察力が必要です。このことを理解して頂きたくて本日のお話をさせて頂きました。私が皆さんに求めるのは、表面に現れた事象だけで物事を判断するのではなく、奧に秘められた「思い」までを理解できる洞察力を身につけて頂くことです。「誰のために」を考えるとき直接働きかける人のことだけでなく、そのことで影響を受けるその人の背後にいる多くの人々のことも深く考えて下さい。誰かから恩恵を受けたときなど、そのことが皆さん自身に向けられたことなのか、皆さんを通して皆さんの背後にいる人に向けられるべきことなのかを深く洞察する力を身につけて頂きたいのです。そのような深い思慮は皆さんの医療人としての生涯に必ず役立ちます。
どのような職業でもそうですが、とくに、医療の現場では、「自分が楽だ」とか「自分のために」とかの邪な心を持ってはならないのです。自身の存在そのものが「誰のために」あるのかを考え、正しく行動しなければならないことを肝に銘じなければなりません。事の本質は深い洞察の結果知ることができるのです。皆さんは、生涯を懸けて、そうした能力を磨き、「誰か」のために尽くすことが義務づけられている職業に就くのです。今までの3年間の勉学も、今後、続けなければならない生涯にわたる研鑽も、全てが、繰り返しますが、皆さんが最も大切にしなくてはならない人、すなわち「患者さん」のためにあるのです。身につけた知識や技術は「患者さん」のためだけに使うもので、自分のために使うものではありません。そうであるならば、皆さんの中に怠惰な心が起こり、生涯にわたる研鑽を怠るなどということを、「患者さん」は断じて許すことができないはずです。
皆さんには、人が困難に直面しているときや苦痛を感じているときに、困難や苦痛の本質を洞察することができ、深い思いやりの心もって接することのできる医療人になって頂きたいのです。そのための研鑽を積むために学校に求めるものがあれば、いつでも学校に戻ってきてください。呉竹医療専門学校は皆さんが自ら向上するための学びの場をいつでも開いておきます。
最後になりましたが、皆さんお一人お一人がこれからの長い生涯、幸運に恵まれ、悔いのない人生を送られることを祈りつつ、私からの式辞とさせていただきます。
(呉竹医療専門学校 校長 細野 昇)
【メッセージ】
医療、介護、健康産業、スポーツの現場など、東洋医学(はり、きゅう、あん摩マッサージ指圧、柔道整復)の技術と知識を生かせる領域は大変広く、将来に向けた大きな可能性があります。多くの仲間や先輩、そして信頼できる師との出会いを通じて、人間としても成長のできる分野です。「ひとのためになりたい」という志があれば、誰にでも、何歳になっても、学びの門は開かれています。卒前・卒後ともできるだけ多くの体験をして、その中から自分が真に輝ける世界を見つけて下さい!
卒業したらすぐに活躍してほしいから、呉竹医療専門学校では、Ⅰ部(昼間部)に全日制を導入。姉妹校(東京医療専門学校、呉竹鍼灸柔整専門学校)で培われたノウハウを生かして、効率よく国家試験対策を行いながら、在学中に臨床力を目一杯向上させるための授業を用意。Ⅰ部でトコトン勉強して、3年間で3歩先行く技術を修得。演習を中心とした実践的な授業で腕を磨けます。
働きながら効率よく資格を取得したい方。呉竹医療専門学校には鍼灸科と柔道整復科にⅡ部(夜間部)を設置しています。姉妹校(東京医療専門学校、呉竹鍼灸柔整専門学校)で培われたノウハウに基づく教育システムで着実に国家試験合格を目指します。学校附属の施術所の他にクリニックも併設されていて、卒後教育システムも充実しています。大宮駅西口から徒歩5分ですから通学も便利です(地図)。
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